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WetLink ケーブルスプライスキット ユーザーガイド

はじめに

WetLinkケーブルスプライスキットは、ポッティングコンパウンドや金型、硬化時間を必要とせずに、2本のケーブル端を素早く簡単に接続できる画期的な製品です。

ケーブルスプライスは、水深500メートルまで耐えられる防水性を備えており、無期限に水中で使用することが可能です。

そのため、水中での信頼性が求められる接続用途に最適です。

本ガイドでは、WetLink ケーブルスプライスキットの使用方法について詳しく解説します。

始める前に

WetLink ケーブルスプライスキットは、M10サイズの WetLink ペネトレーター専用です。

スプライスキットを使用する前に、それぞれのケーブル端に M10 WetLink ペネトレーターを取り付ける必要があります。

取り付け方法については、以下のガイドを参考にしてください。

ポイント

Blue Robotics 製品のケーブルを修理または延長する必要がある場合、どのケーブルを使用すればよいか迷うことがあるかもしれません。その際は、各製品の技術詳細表に正しいケーブルへのリンクが記載されていますので、そちらをご確認ください。

部品と工具

必要なもの

  • WetLink ケーブルスプライスキット
  • M10 バルクヘッドレンチ(作業を簡単にするため、2本のレンチを推奨)
  • モリコート 111(WetLink ケーブルスプライスキットに含まれています)

その他に必要なもの

  • M10 WetLink ペネトレーターを取り付けたスプライス用ケーブル 2本
  • M10 バルクヘッド O リング 2個(WetLink ペネトレーターに付属)
  • M10 ペネトレーター・ナット 2個(WetLink ペネトレーターに付属)
  • 2mm 六角ドライバー

組立

1. Oリングの準備
WetLink ペネトレーターに付属の M10 バルクヘッド O リングを取り出し、付属の Molykote 111 コンパウンドを薄く均一に塗ります。

その後、Oリングを各 WetLink ペネトレーターの下部にある Oリング溝に取り付けます。

2. ケーブルの挿入
1本のケーブルを用意し、スプライスキット筐体にある穴の1つに通します。

3. ペネトレーターの仮固定
ペネトレーターを筐体の穴にしっかりと保持した状態で、反対側からペネトレーター・ナットを指で締めます。

ナットが指で回らなくなるまで締め付けてください。

4. ペネトレーターの本締め
M10 バルクヘッドレンチを使ってナットを固定し、もう1本のレンチを使用してペネトレーターをしっかりと締め付けます。

手でペネトレーターを緩めることができなければ、十分に締め付けられています。
※トルクレンチを使用する場合、取り付けトルクは 3.5 Nm に設定してください。

エンクロージャーの外側でペネトレーターを締める場合、16mm のレンチを使用することも可能ですが、大部分のレンチはエンクロージャー内側には入りません。

5. もう一方のケーブルの取り付け
もう1本のケーブルについても、手順 2 ~ 4 を繰り返して取り付けます。

6. 内部接続の作業
両方のペネトレーターを取り付けたら、エンクロージャー内で必要なワイヤ接続を行います。


※ここに示されているワイヤコネクターはキットに含まれていません

この例ではユーロスタイルの端子台を使用していますが、以下の方法も使用可能です。

  • はんだスプライスと熱収縮
  • 別のタイプの端子
  • コネクター付き PCB

7. 蓋のOリングの準備
スプライスキットの蓋に付属の Oリングに、Molykote 111 を薄く均一に塗ります。その後、Oリングを蓋の溝に取り付けます。

8. 筐体内面の処理
スプライスキット筐体の内面上部に、Molykote 111 を薄く均一に塗布します。

9. 蓋の取り付け
蓋を筐体にセットし、付属の蓋用ネジを 2mm 六角ドライバーでしっかりと固定します。

これで水深500メートルまで対応可能な防水接続が完成しました。

取り付け

WetLink スプライスキットには、2種類の取り付け方法が内蔵されています。

取り付けネジ穴

スプライスキットには、直径 3.2mm の取り付け穴が 4つ設けられており、これを使ってスプライスキットを表面に固定できます。

M3ネジ(キットには含まれていません)またはその他の適切なネジをご使用ください。

取り付け穴の配置は以下の図をご参照ください。

ジップタイの溝

スプライスキットの筐体には、ジップタイ用の溝が2カ所成形されています。

この溝を使うことで、ジップタイを用いた取り付け時にスプライスキットをしっかりと所定の位置に固定できます。

メンテナンス

WetLink ケーブルスプライスキットは、メンテナンス不要で無期限に水中で使用できるよう設計されています。

ただし、頻繁にスプライスキットの蓋を開け閉めする場合は、以下の点を確認してください。

  • 蓋の Oリングに損傷がないかチェックする。
  • Oリングと筐体の接触面に再度潤滑剤(Molykote 111)を塗布する。

蓋を開ける際のポイント

蓋が固くて開けにくい場合は、工具を使用してこじ開けても問題ありません。

Oリングの交換

もし Oリングが損傷して交換が必要になった場合、スプライスキットのエンクロージャー内側に Oリングのサイズが刻印されているので、簡単に確認できます。

Oリングのサイズは 1.5 x 44 mm です。

推奨ツール

Blue Robotics のナイロン製 Oリングピックを使用すれば、蓋や筐体を傷つけることなく安全に Oリングを取り外せます。

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株式会社チック。水中ドローンや無人船、ブルーボートの開発・販売に注力。海洋調査や水中探査の現場で、水中ドローンを活用した豊富な調査経験を持ち、その実績を基に、専門家や企業に信頼される高性能な製品を提供しています。

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