近年性能の向上、手が届きやすい価格設定等で人気が出てきている水中ドローン。
特にビジネス向けは、新たな水中産業の可能性を秘めるほど抜群の性能を持っています。
今回は日本国内で入手しやすい小型~中型の産業向け水中ドローンを紹介。
業務用ROVを検討中であれば、ぜひ参考にしてください。
価格と機体バリエーションが豊富! QYSEA FIFISHシリーズ
QYSEA(キューワイシー)社は2016年に設立された中国の水中ドローンメーカーです。ROVはFIFISH(ファイフィッシュ)シリーズを展開。40以上の国と地域で販売展開されています。
レジャーや探検はもちろん、海洋科学、インフラ、養殖、海上輸送、緊急救助、犯罪捜査等専門性の高い産業にも対応。ビジネスだけでなく研究目的の使用にも最適なように、機体バリエーションも豊富となっています。
現在は小型ROVのFIFISH V6シリーズがベースとなり、上位機種が数種展開されています。
一般モデル FIFISH V6、FIFISH V6S
FIFISH V6
2019年8月発売。小型の産業用水中ドローンとして高い性能を持った基本モデル。重量3.9kg、最大駆動時間4時間、ケーブルは100mなので、水深が浅めの水中撮影や探索向け。
2020年5月発売のFIFISH V6Sは、FV6に比べ水中作業に特化した仕様。ケーブル長は200m、駆動時間が6時間に延び、ロボットアームが標準搭載に。
プロモデル FIFISH V6 EXPERT
FIFISH V6 EXPERT
2021/11発売。300mまで可能なケーブル長、2灯6,000ルーメンのLED、オプションによりさまざまなカスタマイズが可能なFIFISHのプロ仕様。
企業モデル 小型FIFISH V6 PLUS、中型FIFISH W6
FIFISH V6 PLUS
2020年8発売。特長は潜航可能深度150m。ロボットアームもオプションで取付可能で、産業向けの機能が標準装備されています。産業向け小型ROVとしては最高レベル。
FIFISH W6
2021年4月発売。中型のため重量は20kgを超えるものの、最大速度時速7.4km、潜航可能深度350m、ケーブル長305m、2灯12,000ルーメンのLED、最大駆動時間8時間~※∞と、ずばぬけた性能が特徴。(※FIFISH V6S、FIFISH V6 PLUSもFIFISH _陸電供給システムを使用可能)
高い技術力と信頼性のROV CHASING M2シリーズ
CHASING(チェイシング)社は2016年4月に設立された中国の無人海中ドローン、マイクロROVメーカーです。
軽工業、プロ用水中マイクロROV、スマート無人機器の研究開発・生産など、高い信頼性を持ったROVを展開しています。最初の5年間で6世代の製品を開発、中国内外で50以上を受賞しています。
特に研究開発チームは強力で水中通信、水中車両の一般的な設計等、多くの技術分野で国際的トップレベルに。手頃な価格の検査・作業クラスのマイクロROVを設計することを目指しています。
軽工業用プロモデル CHASING M2、CHASING M2 PRO
CHASING M2
2020年8月発売。4K対応全方向移動可能で、軽工業用向けのプロモデル産業用水中ロボットです。オプションでロボットアームに対応。高い基本性能を持っています。
2020年12月発売のPROモデルはCHASING M2のアップグレード版で潜航可能深度は150m、ハイブリッド給電をサポートし、さまざまなオプションパーツに対応した汎用性の高いモデルです。
高スペックながら手ごろな金額となっています。
産業用モデル CHASING M2 PRO MAX
CHASING M2 PRO MAX
2022年5月発売。政府および企業向けに設計された産業用水中ドローン。
※全方向360度移動ができ(※CHASING M2・M2proも360度移動可能)、潜航可能深度200m、オプションで最大水平半径400メートルが可能。付属品クイックリリース技術で搭載できる付属品は20種以上最大5個まで簡単に取付でき、あらゆる状況に対応します。
深度300mに対応する日本製高性能ROV FullDepth DiveUnit300
株式会社 FullDepth(フルデプス)は2014年設立された日本の産業用水中ドローンメーカーです。
唯一の日本メーカーとして国内の実証実験やイベントにも多数参加。「世界初、海中音響通信技術を用いた完全遠隔無線制御型水中ドローンの実現」にも使われました。
圧倒的な高スペックを誇るDiveUnit300(ダイブユニット300)は機動力、耐久性、利便性を追求しており、他社のROVでは困難だった水中作業もこなせます。
ドローン本体だけでなくクラウドシステムも一括して開発しており、国内メーカーとしてきめ細かな要望にも対応可能な技術力を持っています。
DiveUnit300
2019年10月発売。名前にもある通り、最大潜行可能深度は300m。重量約28kg(バッテリー込み)、明るさ6,000ルーメン、推進器7基、駆動時間最大4時間。
アタッチメントとしてひび割れなどを測定するラインレーザー、対象物の回収等に利用するグリッパー、水質調査用の採水機、4K対応360度カメラ等に対応しています。
無限の拡張性を秘めたROV Blue Robotics BlueROV2
Blue Robotics(ブルーロボティクス)社はアメリカにある水中ドローン、部品メーカーです。
2014年にT100スラスターを発売以降、何百もの高性能かつ低価格部品を開発・販売。学生や研究者、海洋ロボットメーカーなどに利用されています。ROVはオープンソース製品であるBlueROV2(ブルーロブ2)を扱っています。
オープンソースで自由度が無限大なので、用途に応じていくらでも改造することができます。
自分には思いつかないことも世界中の愛好家とつながることでアイデアをもらい、探索・革新・創造を目指す人たちの可能性を現実のものとしてくれます。
上級者向けのマシンに思われがちですが、あらかじめ作業に応じたセットアップがされているマシンであれば他社の機体同様、基礎知識や操作、洗浄作業等の技術を覚えれば扱えます。
BlueROV2
BlueROV2
2017年9月発売。潜航可能深度100m、ケーブル長300m、LEDは4灯6,000ルーメンの圧倒的な明るさ。
オプションでさらにLEDを増設可能で、地上給電やサイドスキャンソナー、外部カメラ搭載などにも対応します。他社製品にはない関節つきのロボットアームや赤外線カメラも搭載可能。
スラスターの数もスタンダードモデルが6個。拡張で8個まで搭載可能。
販売ショップにより、基本となるスタンダードモデルの仕様はさまざまです。オリジナルカスタマイズにより価格や機能は大きく変動します。
購入時は信頼できるショップを選び、継続的なアフターメンテナンスに対応しているか内容をよく確認しましょう。
産業用水中ドローンの選び方
水中ドローンを価格や性能で選ぶか、レンタルや中古で選ぶか、Amazonで購入するか……初めてビジネスで使う場合は高額なだけに悩んでしまうものです。
そのためにまずは、気になるROVを実際に試してみることをオススメします。
日本のROV市場はまだそれほど大きくないものの、専門的に扱っているショップは高い技術や知識を持っているところがたくさんあります。
実際にスタッフが付き添って製品説明や操縦の体験会を行っているところもありますので問い合わせてみましょう。信頼できるショップであれば、購入後のアフターメンテナンスも柔軟に対応してくれ、機体を長く大事に扱うことができます。
点検や測量に使う場合は使用頻度も高いので、継続的に見てもらえる販売店がいいでしょう。弊社もBlueROV2無料体験やROVスクール、改造、修理等に対応していますので安心してご相談ください。
実際に使ってみるとROVのメリットだけでなくデメリットも見えてきます。そんなときは拡張性のあるマシンを使ったり、別の機体を試してみたりするのもいいでしょう。将来的に自作なんていうのもいいかもしれません。ぜひあなたもビジネス向けROVを知り、試してみてください。